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発光ダイオード(LED)の発光の原理・仕組みや違いとは

■発光ダイオード(LED)とは

 発光ダイオード(LED:Light Emission Diode)は、半導体レーザ(LD)と同じくp-n接合に電流を流して発光させる半導体発光素子で、半導体材料の違いで紫外、可視、赤外域のさまざまな波長の光を発光させることができます。なかでも、白色光LEDは白熱電球や蛍光灯に比べて長寿命、低消費電力のため照明への利用が進んできています。その他、携帯電話など電子機器のバックライト、信号機、道路表示器、屋外用デスィプレイ、懐中電灯など照明、ディスプレイ分野を中心に多くの用途で使われています。

 

■発光ダイオード(LED)の発光の原理

 発光ダイオード(LED)の基本的な原理は図1のようになっています。p型半導体(ホールが多い半導体)とn型半導体(電子が多い半導体)を接合したp-n接合が作られています。この素子に順方向の電圧をかけるとホールと電子はp-n接合に向けて移動し双方が結合して消滅します。このとき電子がエネルギーの高い状態から低い状態に移るので余ったエネルギーが光として外部に放出されます。

 

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図1.LED発光の原理

●LED光の色の違いはなぜ

 図2は半導体材料によって発光波長が異なることを説明する図です。p-n接合でのホールと電子の結合は電子がエネルギーの高い伝導帯からエネルギーの低い価電子帯に落ちることによっておこります。このエネルギー差が大きいほどよりエネルギーの高い光、即ち波長の短い光が放出されます。エネルギー差(禁制帯の幅)は半導体の材料で異なっていますので発光させたい色に合う禁制帯の材料を選んで発光ダイオード(LED)を作ります。図2では青色と緑色の材料がどちらもInGaNになっていますが、In/Gaの比率を変えて発光色を調節します。

 

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図2.半導体材料による発光色の違い

●白色LEDの発光の仕組み

 発光ダイオード(LED)で白色を発光させる仕組みには図3に示すような3通りがあります。

① 青色LEDと黄色を発光する蛍光体の組み合わせです。黄色は青色の補色ですので青色と黄色が混ざって白色にみえます。この方法は簡単で、光も強いので最も普及していますが少し青みがかってみえるのが欠点です。
② 紫外LEDで青、緑、赤の蛍光体を発光させる方法です。自然できれいな白色光に見えますが、まだ、①の方法ほど強い光をだすことができません。
③ 青、緑、赤3個のLEDを発光させる方法です。光が強くフルカラーを発光できるのでディスプレイの照明やLEDスクリーンなどに使われています。

 

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図3.白色LED発光の仕組み

●発光ダイオード(LED)と半導体レーザ(LD)の違い

 発光ダイオード(LED)とよく似た半導体発光素子に半導体レーザ(LD)があります。この二つはどこが違うのでしょうか。p-n接合で電子とホールが結合して発光する原理は同じですが、出てくる光の性質は異なります。LEDの光は電球に近く位相がバラバラなので広がっていきますが、LDの光は位相が揃ってるため真っ直ぐ進む光線になります。この違いは、LEDでは発光した光をそのまま外部に出すのに対し、LDでは位相を揃える工夫がしてあるためです。また、LDでは狭い発光層の端面から光がでるので光ファイバに入射しやすいですが、LEDの光は広い発光層の面全体からでるのでコア径の小さなファイバに入射するのが難しいという違いもあります。(図4.および図5. 参照)

 

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図5.LDの構造

 

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