分光器とは、白色光などの広帯域光源の光の色を空間的に分離するための装置です。分離するための現象は大きく2つに分かれ、一つはプリズム内の光分散の現象、もう一つは回折格子(グレーティング)を使用する回折の現象です。ファイバーラボで取り扱っているBENTHAM社の分光器は回折格子(グレーティング)を使用しています。
回折格子(グレーティング)はプリズムに比べて、分散度を高くしやすいので波長分解能を上げやすい、素材の透過波長に影響されないので広い波長範囲で使用できる、屈折率などの物性に依存しないので波長の読み取りがシンプルに行えるというメリットがあります。
回折格子(グレーティング)を利用した分光器にもいくつか種類があり、最も一般的なのは反射型回折格子(グレーティング)を使用したものです。 その中でもBENTHAM社の分光器はCzerny-Turner構造を採用しております。 Czerny-Turner構造は平面回折格子(グレーティング)の他に、コリメーティングミラー、フォーカシングミラーと呼ばれる2枚の凹両鏡および2枚のスリットからなります。広帯域光源からの光は以下のような工程を経て任意の波長のみが選択される仕組みになっています。
< Czerny-Turner構造 >
広帯域光源→入射スリットを通過→コリメーティングミラーにより反射→回折格子で回折→フォーカシングミラーで集光→出射スリットで任意の波長のみを通過
製品ラインナップとしては大きく2種類に分かれ、一度しか波長のチェックを行わないシングルモノクロ方式、二度波長のチェックを行うことでより迷光性能を向上させたダブルモノクロ方式があります。その中で、焦点距離、回折格子(グレーティング)マウント・数、スリットタイプ(固定・マイクロメータ・電動)、フィルタタイプなどを選択できるようになっておりますので、ご使用の用途に最適な製品の選択が可能です。詳しい仕様・測定データや価格についてはお気軽にお問い合わせください。
製品写真 | 型番 | 方式 | 焦点距離 | 波長範囲 | 回折格子数 | スリットタイプ | メーカ |
TMc150 | シングルモノクロ | 150mm | 200nm~50μm | 1~2 | 固定式 マイクロメータ式 電動式 |
BENTHAM | |
TMc300 | シングルモノクロ | 300mm | 200nm~50μm | 1~3 | 固定式 マイクロメータ式 電動式 |
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TMS300 | シングルモノクロ | 300mm | 200nm~50μm | 1~3 | 電動式 | ||
ISR300 | シングルモノクロ | 300mm | 200nm~50μm | 1~3 | 電動式 | ||
DMc150 | ダブルモノクロ | 総合 : 300mm 個別 : 150mm |
200nm~2400nm | 一対 | 固定式 マイクロメータ式 電動式 |
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DTMc300 | ダブルモノクロ | 総合 : 600mm 個別 : 300mm |
200nm~50μm | 1~3 | 固定式 マイクロメータ式 電動式 |
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DTMS300 | ダブルモノクロ | 総合 : 600mm 個別 : 300mm |
200nm~50μm | 1~3 | 固定式 マイクロメータ式 電動式 |
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IDR150 | ダブルモノクロ | 総合 : 300mm 個別 : 150mm |
200nm~2400nm | 一対 | 固定式 マイクロメータ式 電動式 |
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IDR300 | ダブルモノクロ | 総合 : 600mm 個別 : 300mm |
200nm~50μm | 1~3 | 電動可変式 |