量子カスケードレーザ(QCL)は半導体レーザの1種ですが、通常の半導体レーザと異なり半導体量子井戸中に形成されるサブバンド間の光学遷移を利用するため中赤外からテラヘルツ帯の発光が可能で、温室効果ガスの微量計測、化学物質、有害物質の検知、エンジンの燃焼診断など多くの分野で利用が期待されるレーザです。
WAVELENGTH ELECTRONICS社の量子カスケードレーザ(QCL)用ドライバQCL-OEM+は小型のOEMタイプで、市販では電流ノイズ密度が最も低いドライバです。低ノイズですのでガス、液体、物質などのセンシングにおいて検出感度を上げることができます。このドライバでQCLを駆動することにより、より狭線幅、安定な中心波長や繰り返しスキャンを実現できます。これまでより低濃度測定を実現するためにぴったりの高精度で超低ノイズのレーザドライバです。QCL-OEM+は下図のようにQCL-OEMと電圧の極性が異なるタイプです。出力電流の異なる4種類がございますのでご用途に合わせて最適の機種をお選びください。
■ 特徴・正極性 |
■ QCL-OEMとQCL-OEM+の違い
■仕様 量子カスケードレーザ一覧へ
型番 | 単位 | QCL-500 OEM+ | QCL-1000 OEM+ | QCL-1500 OEM+ | QCL-2000 OEM+ |
出力電流 | A | 0.5 | 1 | 1.5 | 2 |
RMSノイズ(1Hz-100kHz) | μA | 0.4 typ. (Inverter OUT (-5~0V)) 0.5 typ.(Inverter IN (0~+5V)) |
0.8 typ. (Inverter OUT (-5~0V)) 1.0 typ.(Inverter IN (0~+5V)) |
1.1 typ. (Inverter OUT (-5~0V)) 1.25 typ.(Inverter IN (0~+5V)) |
15 typ. (Inverter OUT (-5~0V)) 2.0 typ.(Inverter IN (0~+5V)) |
コンプライアンス電圧 | V | 16(標準) 20(出荷時変更可) | |||
長期電流安定性 at 25℃ | ppm | 10 typ. | |||
温度係数 | ppm | 10 typ. | |||
平均電流ノイズ密度 | nA/√Hz | 1(Inverter OUT) 1.5(Inverter IN) |
2(Inverter OUT) 3(Inverter IN) |
3(Inverter OUT) 3.5(Inverter IN) |
4(Inverter OUT) 5.5(Inverter IN) |
ノイズ特性スキャン | – | 購入時にご要望があれば1Hz – 100kHzのスペクトルノイズスキャンをご利用いただけます | |||
帯域幅*1 | MHz(CC) | 1.5 – 2 | |||
立上がり/立下り時間 | nsec | 950(to full scale)/1000 | |||
ディレイ | sec | 1.25(ディレイ後、電圧はセット電圧へ上昇) | |||
電流ランプ | msec | 100(to full case) | |||
リモートパワーON | – | TTL信号がHI(~12V)の場合コントローラへのパワーON 入力がグランドかハイインピーダンスの場合パワーOFF 光学的にアイソレート |
|||
リモートイネーブル | – | TTL入力がHI(~12V)の場合レーザ電流Enable TTL入力がグランドかハイインピーダンスの場合電流Disable 光学的にアイソレート |
|||
サイズ | mm | 140x166x59 | |||
2重化電源 | V | ±24 | |||
メーカ | – | WAVELENGTH ELECTRONICS |
*1 帯域幅はQCLインピーダンスとワイヤ長によります