光モード変換アダプタ(Mode Conversion Adapter:MCA)は、シングルモードファイバ(SMF)からマルチモードファイバ(MMF)への入射、あるいはマルチモードファイバからシングルモードファイバへの入射を低損失で行うためのアダプタです。SMFからMMFへは0.5dB以下、MMFからSMFへは2dB以下の損失です。
■ 特徴・使い易く、運びやすい |
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■ 仕様
製品名 | 光モード変換アダプタ | |
変換 | シングルモード ⇒ マルチモード | マルチモード ⇒ シングルモード |
挿入損失 | < 0.5 dB | < 2.0 dB |
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PDL | < 0.2 dB | < 1.0 dB |
動作波長 | 1260-1660nm | 1260-1660nm |
リターンロス | > 40dB | > 40 dB |
メーカ | PPI Inc. |
* ご発注の折には、GI 50/125またはGI 62.5/125の何れかをご指定下さい。
■ MCAのご利用例
■ MCAの接続方法
(→光コネクタとは)
■ MCAの機能と使用方法
■ MCAの機能
MCAは、SMFとMMFの基本モード同士を低損失で変換する機能を持ちます。下図のように、MCAをMMFの両端に使用してSMFと接続すると、SMF用の送受信機を使用して、建物内などに敷設済のMMF伝送路のアップグレードが可能になります。
MCAの使用により、MMF中を伝搬するモードはほぼ基本モードのみになるため、モード分散の影響をほとんど受けずに伝送が可能です。
■ MCAの正しい使用方法
MCAは、以下の2つの条件のもとで使用する必要があります (上図に示した使用方法です)
- ・SMF用の送受信機を使用していること
- ・MMFの両端にMCAが接続されており、MCAはさらにSMFに接続されていること
■ MCAの誤った使用方法
上に挙げた2つの条件が満たされない場合、MCA本来の特性は得られません。例えば下記のような形態で使用した場合、大きな損失(>20dB)が発生し、十分な受光パワーが得られなくなります。
- × MMF用送受信機と組み合わせての使用はできません (上図参照)
- × SMFの両側にMCAを配置する構成では使用できません (上図参照)
■ 事前確認をお勧めします (デモ機をお貸出しします)
MCA自体は正しい使用方法がなされている場合であっても、MMF伝送路の状態によってはMMF→MCA→SMFの損失が2dBを超える場合があります。例えば、以下に挙げる2つの例のように、伝送路中の接続点で大きなファイバ位置ずれがあったり、ケーブルに急激な曲げ (キンク) があったりする場合です。このような場合、MMF伝送路中で高次モードが発生しやすくなり、発生した高次モードは出射側のMCAを通過できず、損失となってしまいます。
伝送路中での高次モードの発生はケーブルの接続・設置状況に依存するため、実際の伝送路にMCAを適用して伝送特性をご確認されることをお勧めします。デモ機を常時在庫しており、お貸し出しいたしますので、お気軽にお問い合わせください。