光トランシーバとは、電気信号と光を相互変換する光送受信機で、光通信において重要な役割を果たしているデバイスです。送信側で電気信号を取り込んで光信号に変換し、光信号を光ファイバ内で伝送し、受信側で受けた光信号を電気信号に変換します。光トランシーバは、単一のデバイスで光トランスミッタ(光送信機)および光レシーバ(光受信機)として動作するようにパッケージ化されているので、送信側・受信側両方で使用することができます。
光トランシーバの構造として、光トランスミッタ(光送信機)部では電気信号を光信号に変換するためにファブリペロー(FP)型やDFB型の半導体レーザ(LD)、LED、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)の小型半導体チップが使用され、光レシーバ(光受信機)部では光信号を電気信号に変換するためにPN型フォトダイオードやPIN型フォトダイオード(PIN-PD)、アバランシェフォトダイオード(APD)などの光検出器が使用されています。レーザのタイプによって使用できる波長帯が分かれ、FP-LDの場合は1310nm・1550nm、DFB-LDの場合は1310nm・1550nm・CWDM・DWDM、VCSELの場合は850nmとなっております。
光トランシーバのフォームファクタは、速度とプロトコルによって寸法や形状が異なります。異なるベンダーの同じフォームファクタの光トランシーバがサイズと機能の互換性をもたせ相互運用性を保証するために、一般的に光トランシーバ製品の製造事業者はアイトリプルイー(IEEE:The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)のマルチソース協定(MSA:Multi-Source Agreement)の規格に従って設計しております。イーサネットで使用されている光トランシーバのフォームファクタは、サイズの大きい順にCFP、CFP2、CXP、QSFP28などの種類があります。
光トランシーバは、伝送距離によっても規格が決まっており、長いほうから80km(ZR)、40km・30km(ER)、10km(LR)、2km(FR,CLR,CWDM,PSM)、500m(DR)、<500m(SR)というように分けられ、使用する光ファイバケーブルは2kmまではシングルモード光ファイバ(SMF)とマルチモード光ファイバ(MMF)が使われ、2kmよりも長くなるとSMFのみが使用されています。