物質を構成している分子の振動により、物質中には粗密波(音波)が発生します。
この粗密波による屈折率の周期的な濃淡で起こる光の散乱をブリルアン散乱といいます。
粗密波の進行方向へ散乱される光と後方へ散乱される光ではドップラー効果により粗密波の周波数Δѵだけ周波数が増減され、Δѵをブリルアン周波数シフトといいます。
また、入射光の振動数をѵ0としたとき、ѵ0+Δѵの光をアンチストークス光、ѵ0-Δѵの光をストークス光といいます(図1参照)。
ブリルアン散乱は光ファイバの中でも起こります。
FBGの周期が温度や歪で変化するように、粗密波の周期も温度や歪により変化し、それに伴いΔѵが変化します。
従って、Δѵを観測して温度や歪を計測することができ、このようなセンサを分布型光ファイバセンサといいます。